FANBOXで複数のプランを作成する場合、クリエイターによって最適な金額設定は異なります。ここでは、少し上級者向けのお話になりますが、クリエイターが属するジャンルごとにオススメのプラン編成と、その考え方をご紹介します。
まず、多くの支援を集めるクリエイターは3個以上のプランを設置しています(※参考:FANBOXの6周年記念投稿の公開データより)。
一方でプランの数が多すぎると、プランの差別化が難しかったり、支援しようとするファンを迷わせてしまいます。
したがって、最初はプランの個数は1つで十分ですが、慣れてきたら3個くらいに増やしてみるのがオススメです。
目次(ジャンル別)
イラストレーター
マンガ家
VTuber、配信活動者
ミュージシャン
小説家、エッセイスト
ゲーム制作やプログラミング
※はじめてプランを作成される方は以下の記事から先にご覧ください。
プランを作るときの注意点
プランの金額に迷ったら
募金箱のようなプランでもOK
イラストレーター
オススメのプラン編成:500円/1000円/2000円
作品の制作日誌やラフなど制作過程の投稿や、無料公開している作品の投稿については500円で、FANBOX限定の作品の投稿や特別な差分や、さらなる特典は1000円以上とするのがオススメです。
最高額の2000円のプランは純粋にクリエイターをもっと応援したい支援者向けとして内容は基本的に1000円と同じという形なら、特典を用意するための負担は過度に大きくなりません。
特にイラストレーターの場合、クライアントとの契約の問題で依頼された作品やその制作過程をFANBOXに投稿できないこともあるでしょう。また1作品にかかる時間的にも、完成した作品そのものを頻繁に投稿することは難しいでしょう。
したがって、FANBOXの投稿や特典の準備のために、普段の創作の時間が大きく削られるようなことがないよう、どのプランにどんな投稿をどんな頻度で行うかについて事前によく考えて、なるべく負担が小さく継続しやすいプランにするのがオススメです。
▼参考記事:イラストジャンルクリエイターのプラン運用例とインタビューをご紹介!
https://official.fanbox.cc/posts/7816542
マンガ家
オススメのプラン編成:500円/1000円/1500円
マンガの場合は、気になっているストーリーの続きを少しでも早く読みたいから支援するという、プランの特典として明確な目的を提供しやすい特長があります。
したがって、作品の制作日誌、ネームなど制作過程の投稿に加えて、SNS等で無料公開している作品の先行公開を500円プランの特典とするのがオススメです。
たとえばFANBOXで先行公開している作品がSNSで人気になり、続きを読みたい人が増えてくると、継続的に非常に多くの支援者を集めるチャンスがあります。これはマンガならではの大きな強みです。
そうしたマンガの特長を活かし、継続的な作品づくりに集中するためにも、高額プランに制作負担が大きい豪華な特典を置く形は、あまりオススメできません。
大多数の支援者も、何より連載本編のストーリーがなるべく早く進む(制作される)ことを求めているので、1000円以上のプランは基本的に特典を置かない、もっと支援したい方向けのプランにしたほうが良いでしょう。
もちろん、作品の未公開部分やサイドストーリーを描きたくなったり、過去作品のまとめ再録などあまり手間がかからないものなら、たまに上位プラン向けの特典にしてみても良いでしょう。
なお、すでに商業マンガ家として連載を持っていたり、FANBOXに作品そのものを投稿することが難しい場合は、イラストレーターの場合と同様に、制作日誌を中心とした全体的に負担の軽いプラン編成にするのがオススメです。
▼参考記事:マンガジャンルクリエイターのプラン運用例とインタビューをご紹介!
https://official.fanbox.cc/posts/7816551
VTuber、配信活動者
オススメのプラン編成:1000円/2000円/10000円
VTuberや配信活動者のFANBOXは、500円プランを含めた低価格帯プランのみのタイプと、10000円プランなど高額なプランも用意するタイプの2種類に大別されます。
しかし、すでに非常に高い知名度がある場合を除いて、低価格プランのみで配信活動を継続するのに十分な支援を集めるのは難しいため、高額なプランも用意するほうがオススメです。
高額なプランを用意しているFANBOXでは、音声コンテンツの特典や、通話やテキストチャット等で直接お話ができるといった特典がよく見られる一方で、特に追加特典はないというケースもあります。
これは、高額プランの支援者は純粋にクリエイターを支援したい気持ちのみでの支援が多く、あまり大きな見返りを求めない傾向が強いことも背景にあります。必ずしも豪華な特典がないと支援されないわけではないのです。
一方、低価格帯のプランでは、ほかのジャンルと同様に、定期的な日記や写真、配信の裏話等の投稿が大多数です。音声を投稿したり、動画を先行公開したり、ボツ動画やサムネイル等の素材を投稿したり、FANBOX限定で配信を行ったり、ファンアートを壁紙にして配布したり、といった特典もよくありますしオススメです。
ただし、あくまでメインは配信活動や動画投稿ですから、FANBOXに力を入れすぎてしまわないよう、自身の活動全体のバランスに注意してプランを設計してみてください。
また、VTuberや配信活動者にとって、最近はYouTubeのメンバーシップ機能やTwitchのサブスク機能といった配信プラットフォームの支援機能の利用という選択肢もあり、どのようにFANBOXと違いを持たせるかで悩まれることがあります。
一般的に、配信プラットフォームの支援機能には、閲覧権限のギフトが可能なこともあって、はじめて配信を見に来てくれたようなファンからも比較的すぐに支援を集めやすいという特長があります。その一方で、FANBOXではファンからの支援を最大限受け取れる(手数料が安い)という特長があります。
したがって、配信プラットフォームの支援機能は、支援しやすい、ギフトしやすい低額なプランだけにして、もっと支援したい、もっと特典がほしいという熱心なファン向けとして、より高額な1000円以上のプランがあるFANBOXに来てもらうという形がオススメの使い分けです。
▼参考記事:VTuberジャンルクリエイターのプラン運用例とインタビューをご紹介!
https://official.fanbox.cc/posts/7816556
ミュージシャン
オススメのプラン編成:500円/1000円/2000円
プライベートな日記や楽曲の制作過程の投稿、デモ楽曲、ボツ楽曲の投稿、リリースした楽曲についての解説等を500円のプランで投稿し、それ以上の特典は1000円以上という形がオススメです。
1000円以上のプランでは、リリース予定の完成楽曲の先行ダウンロード、ライブの先行チケット販売、作品のクレジットに名前を掲載といった特典で差別化する形です。
アルバム完成時に物理音源(CDやレコード等)を販売する際には、BOOTHのシークレット公開機能を活用して、FANBOXの支援者だけ少しオマケが付いた支援者限定版を購入できる、といった特典の提供などもオススメです。
▼参考記事:音楽ジャンルクリエイターのプラン運用例とインタビューをご紹介!
https://official.fanbox.cc/posts/7816560
小説家、エッセイスト
オススメのプラン編成:500円/1000円/1500円
制作過程の投稿や先行公開などがメインになりますので、マンガ家のプラン編成例と共通点が多く、500円を中心とした低価格なプラン編成が参考になるはずです。
一方で、小説家やエッセイストは文章の専門家なので、普段の日記的な投稿そのものが作品に準ずる大きなコンテンツ、特典となりやすい特長があります。
たとえば日常のFANBOXの投稿が貯まったら、まとめて本にして販売することをあらかじめ想定して、一連の投稿をエッセイの連載形式にしておくのも良いでしょう。
それほど多くの分量や投稿頻度は必要ありませんが、1000円以上のプランには、ちょっと特別なテキストを投稿するようなプラン設計にすると支援者の満足度は高くなるのでオススメです。
▼参考記事:小説ジャンルクリエイターのプラン運用例とインタビューをご紹介!
https://official.fanbox.cc/posts/7816581
ゲーム制作やプログラミング
オススメのプラン編成:500円/1000円/2000円
開発者やサービス運営への純粋なドネーション(寄付)として利用される場合と、ソフトウェアそのものや追加機能の提供を特典としている場合の2種類が多く見られます。
ドネーションとしての利用の場合は、500円を含めた低価格プランを中心に編成するのがオススメです。制作日誌や、リリースのお知らせなどの投稿が中心になるでしょう。
一方で、プランによって使える機能が増えるような形でソフトウェアやWebサービスそのもの(あるいはアクティベーションコード等)を支援者限定で提供する場合は、機能に応じた料金設定を考慮してプランを編成するとわかりやすく、開発支援も集まりやすいでしょう。
▼参考記事:技術系ジャンルクリエイターのプラン運用例とインタビューをご紹介!
https://official.fanbox.cc/posts/7816587